たかお動物病院 院長ブログ / BLOG

他院で余命数ヶ月と言われたワンちゃん

2016/04/23(Sat)

先日から他院より転院されたワンちゃんの来院がありました。

以前の動物病院で『腎不全、夏までしか持たないよ』と言われたワンちゃん。

飼い主さんが前医の診断に御納得いかないとのことで、お知り合いの方から当院を勧められ来院。

と、ここまではどの病院でも比較的経験をする転院症例の一般的な内容。

腎不全であることを当院でも証明すればご納得いただけると思い検査に臨むと。。。

何かが違う。腎不全なのにクレアチニンのデータが低い。。。

お腹のエコーをみると、子宮の異常が。。。

結果『子宮蓄膿症』でした。

夏までとはいわず、このままの状況であれば明日までもつかわからない状況。

血小板の数値も低下しており、全身的に紫斑が認められるような状態。黄疸もあり、自分の力で立つこともままならない状況でした。

輸血をはじめ様々な薬剤を用いて手術に臨み、無事手術は終えることができました。

今回も↓が役に立ちました。


血小板が低く、出血しやすい状況なのにこの電気メスを使用することにより出血はほぼありませんでした。


術後経過も順調で一昨日より食欲旺盛。血液のデータもほぼ正常値に回復。

本日、無事に退院でき、飼い主さんの顔にも笑顔が。

退院後も定期的な通院は必要ですが、とりあえず一安心。



最後に飼い主さんは『もし、あのまま以前の病院の先生の言葉を信じていれば、この子は助かっていない』と言っておられました。正直、その言葉は自分の胸にも響きました。

自分たち獣医師は病気に対して常に謙虚であるべきであり、驕りは禁物、言葉を話せない相手なので全体的な病状の把握をしないといけないいうことを改めて再確認した症例でした。

当院では毎年少しながらですが、獣医療のバージョンアップを図るための投資を行い続けています。今後もこの投資は行い続けるでしょう。


会陰ヘルニア

2016/01/22(Fri)

お正月明けに【会陰ヘルニア】の手術をしたワンちゃんの来院がありました。
【会陰ヘルニア】は過去のブログで何回かお話したとおり、去勢手術をしていない高齢の雄犬に多い疾患で、排便障害や排尿障害などを引き起こす病気です。今回のワンちゃんもそのような状況になっており、手術をいたしました。結果、昨日無事抜糸ができ、排便も快調とのこと。
悩みも解決でき、飼い主さんに喜んでいただける結果となりました。

手術の方法は色々あるのですが、当院では睾丸を包んでいる総鞘膜が利用できそうなワンちゃんに関しては総鞘膜を利用した手術を行っています。

【手術前】肛門の左側側がヘルニアにて腫れています。

【手術後】ヘルニア部位を睾丸を覆っている総鞘膜にて塞ぎオペを終了しました。

【抜糸後】排便も快調に行えているようです。


本日退院!!

2016/01/21(Thu)

先日から【胆嚢粘液嚢腫】のオペにて入院していた症例が今日無事退院をいたしました。
術後の合併症もなく、元気にお散歩できるようになりました。
術部の傷の抜糸はあと1週間ほどかかりますが、傷の状況も良好です。
下は帰る時の姿です。
メチャクチャ笑顔ですね。
お家に帰れることが余程嬉しいのでしょう。
あとはお家での経過も重要ですが、コテツ君、退院おめでとう!!


胆嚢粘液嚢腫

2016/01/20(Wed)

先日、胆嚢粘液嚢腫でオペしたワンちゃんから摘出された胆嚢

外観からみれば特に大きく異常のなさそうな胆嚢ですが、摘出後切開を加えると。。。

このようにゼリー状の胆汁がぎっしり詰まっていました。
胆嚢粘液嚢腫は酷くなると胆嚢破裂を起こしたり、胆管炎、膵炎などを併発したりして命を脅かす病気です。ただ、このような状況でも症状を全く伴っていない場合もあります。
今回の症例は半年以上前から胆嚢の異常を検出し、粘液嚢腫を疑っていましたが、全く症状がなかったため内科治療と経過観察を行っていました。しかし、数日前より便が白っぽいということが続いたため、手術となりました。
(便の色は通常胆汁の色素が関連します。胆汁が上手く出ていないと便は白っぽくなります。)
この胆嚢粘液嚢腫という病気、発生の原因などが未だ詳しく分かっておりません。また、手術適応などのガイドラインなども統一した見解がないのが実情です。
しかし、近年、症状を伴ってからの手術より、症状を伴っていないうちの手術のほうが、術後の合併症が少ないという報告もあり、当院では症状が全く無いワンちゃんでも飼い主さんにその辺りの情報提供を行い、手術希望の場合手術しています。症状(例えば激しい痛み、黄疸や白い便の排泄)が出ている場合は手術を行うようにしています。
手術後は特に合併症もなく、翌日からしっかりご飯を食べてくれています。
早めにおかえしできるかな。治療に携わった獣医師として少し安堵しています。


自己免疫性溶血性貧血(IMHA)のワンちゃんの経過

2016/01/20(Wed)

先日アップした自己免疫性溶血性貧血(IMHA)のワンちゃんですが、その後無事退院することができ、現在食欲もありお家で元気にされているそうです。(飼い主さんも笑顔でした。)
【輸血時の写真】

お薬は当面の間使用していくことになりますが、赤血球の数値が一時期100万を切りそうで容態も良くなかっただけにここまで回復してくれると本当に嬉しいです。
ふ〜、良かった良かった。


自己免疫性溶血性貧血(IMHA)

2016/01/06(Wed)

昨日、おしっこが濃くなって、食欲が全く無いことを主訴に来院のあった症例の来院。

各種検査を行い、自己免疫性溶血性貧血(IMHA)と診断いたしました。

血液成分の赤血球という細胞が自分の免疫により壊されて貧血が出てしまうこの病気。

経過が早いと、あっという間に貧血で無くなってしまう恐れもある大変怖い病気です。

このような病態に陥る原因としては様々あります。(腫瘍疾患、中毒など)

今回の症例は貧血が物凄くひどかったので、昨日から輸血を開始、昨日は吠えたりする元気もない状況でしたが、今朝は少し吠えたりするようになりました。

輸血しているからか幾分か可視粘膜の色は昨日より良さそうです。

まだ、油断はできない状況なので、写真などはアップできませんが、なんとか頑張ってもらいたいところです。

しかし、毎年のことながら、年末、年始は重病な症例が多いですね。。。


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