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またもや副腎疾患?

いつも、ご訪問いただきありがとうございます。
今回、また別の症例で副腎疾患を疑う症例が来院されました。
この症例は当初、外耳炎を主訴に来院されたのですが、その経過中に飼い主様から飲水量が多いことと今までお家の中で排尿をしなかったのが最近するようになったとの相談を受けました。
外耳炎の治療によっては飲水量が増えるお薬も使うことがありますが、今回この症例にはそのお薬は使用していないため、検査をさせていただくと、腹部の超音波で下記のような異常が検出されました。

右腎臓の内側で後大静脈に隣接していることや腹部のX-rayにて同位置に石灰化所見があること。又、血液・血液生化学検査にても副腎疾患を疑わす所見が出ていることから副腎腫瘍による副腎皮質機能亢進症を疑います。今現在、副腎から分泌されているホルモンの検査の結果を待っている状況です。
犬の副腎皮質機能亢進症の原因の中には大体2割から3割程度副腎の腫瘍が原因していることがあります。今回のケースは飼い主さんの何気ない疑問から始まりました。いつもと違った行為などは病気のサインとなっているケースが多いように思えます。


停留精巣の腫瘍化

ご訪問いただきありがとうございます。
今回『停留精巣』が腫瘍化を起こした症例の手術をいたしました。
『停留精巣』とは睾丸が陰嚢という場所に収まっていないことを言います。
遺伝的素因が関与していると言われています。
精巣腫瘍の発生頻度が高くなると言われ、早期の去勢手術が必要になります。
精巣腫瘍の中には恐ろしい随伴症状を伴うものもあります。
(腫瘍が産生するホルモンに骨髄がおかされ、起こる貧血etc)
この症例も左右ソケイ部の停留精巣でした。

エコー(左の精巣:精巣の内部構造が崩壊しており、腫瘍化していることを疑います。)


摘出した精巣(大きい方が腫瘍化した精巣:左側、萎縮した精巣:右側)


この症例は左側のソケイヘルニアも併発しておりましたので、同時に整復いたしました。


上記でも述べたように停留精巣は腫瘍化のリスクが高いです。早期の対策が必要です。


猫の呼吸困難

いつも、ご訪問ありがとうございます。
先日、当院に呼吸困難を主訴とした猫の来院がありました。
飼い主さんの話では、口を開けて呼吸をしているとのこと。
以前から心臓に問題のある子(肺動脈弁狭窄症)で内科治療を行っていたのですが、ここ最近、その内科治療が続けられていませんでした。
早速、胸部X-rayをとると・・・

背腹像(DV像)

ラテラル像


胸腔内の異常が確認され、超音波検査を行うと液体の貯留が確認されました。
胸の中にこのような液体が200ml程貯留。

液体は細胞成分に乏しいものでした。

あわせて、心臓超音波検査も行いました。

このように、拡大した右心房(RA)と右心室(RV)が認められます。




肺動脈弁狭窄症も以前よりひどくなっておりました。


長軸断面:拡大した右心房(RA)と右心室(RV)

右心房、右心室の重度の拡大はありますが、三尖弁(右房室弁の)逆流は併発しておりませんでした。
このような状況になったのはやはり、肺動脈弁狭窄が原因です。
検査後、内科治療を行い、現在は



のように液体の貯留も落ち着きました。よかった~!!
今後の治療のこともありますが、とりあえず一旦状況が落ち着いたことが何よりです。


雌猫の排尿異常

こんにちは。
今週、ちょっと珍しい雌猫の膀胱結石の症例が2例続きましたのでご報告させていただきます。

まず、1例目、最近、排尿の回数が多いということで来院された症例のエコー検査所見です。音響陰影によって縁取られた結石が見えるかと思います。

X-rayを撮影すると

ちょうど真ん中の位置に骨と同じ白さで写っている結石が見えるかと思います。

2例目、主訴はかなり以前から排尿の仕方がおかしい。昨日の尿に血液が混じっていた。以前から(2~3年前)位から排尿回数が多い。ただ、その時は出血はなかった。ということで来院のあった症例のエコー所見です。

ちょうど、膀胱の尾側に先ほどの症例と同じような音響陰影によって縁取られたものを発見しました。ただ、この位置は腫瘍なども起こりやすい位置のため、膀胱内にカテーテルを入れ、生理食塩水を注入すると・・・

このように、位置が動きました。

この症例ではX-rayでの結石の確認ができませんでしたが、X-rayに写らない結石もあります。はっきりしたことはこれから検査を入れていかなくてはいけませんし、外科手術による摘出なども考えなければなりません。

犬にも言えることですが、雄の場合尿道が長いので、小さな結石でも尿道に詰まりやすく、放置しておくと腎不全に陥る場合が多々あるのですが、雌の場合は比較的、雄よりはそういった傾向は雄より少ないようです。しかしながら、雌の方が飼い主さんが症状に気づきにくく、今回の症例のように巨大な結石として発見されることが多いように思えます。
排尿異常があるようであれば、早めの受診をお勧めいたします。


排尿に時間がかかる

こんにちは
排尿に時間がかかり、食欲も落ちてきているという雌のワンちゃんが来院されました。飼い主さんもかなり心配されてました。
各種検査を行うと膀胱内に結石が・・・
早速、手術にて結石を除去しました。



こういったのが膀胱内にあると痛いですよね~!!
結石除去後は元気さも出てき始めました。

結石は犬猫に多いストラバイトという結石でした。
この結石は膀胱炎に関わりが深い結石で、結石除去後も再発に注意する必要があります。

個人的な見解ですが、雄犬の場合は尿道が長く、巨大結石になるまでに尿道内に詰まってしまうことが多いのですが、雌犬の場合は尿道内に詰まる危険性は雄より少なく、巨大結石ができ発見されることの方が多いような気がします。
排尿異常は注意が必要です。

今後、このワンちゃんは処方食などを用いて再発の予防に取り組む予定です。


ワクチン時の身体検査にて

ワクチン時の身体検査にて心雑音が聴取されたワンちゃんの心臓検査を行いました。胸部のX-ray検査にて心拡大があり、心臓の超音波検査を行うと・・・





心臓が収縮しているときに左心房への血液の逆流があり、左心房も健康な個体と比べると大きく拡大しておりましたが、実はそれだけではなくて・・・



なんと、右心房と右心室の間の弁(3尖弁)にも血液の逆流が・・・
なので、この症例の診断名としては僧房弁閉鎖不全(MR)と三尖弁閉鎖不全(TR)ということになります。
幸いにして、今のところ発咳や運動不耐、腹水貯留などの症状は出てはいなかったため、いわゆる心不全という状況までは発展していませんでした。
飼い主さんはできるだけ悪化しないようにしてあげたいということで内科治療を選択していただきました。

これから、毎日の治療が始まりますが、飼い主さんもワンちゃんも頑張っていただきたいものです。


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